司法書士本千葉駅前事務所 遺産相続手続・不動産の相続登記

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「税理士による相続人にやさしい相続税のページ」は、税理士 永野智一氏と提携して運営しております。 本ページの記載内容に関するご質問や相続税のご相談は、下記にて直接お問い合わせください。(相談料は無料です)

 

相続税に関する問い合わせ

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   税理士 永野 智一 n-tomokz@jcom.home.ne.jp 

 

相続税の節税対策

 

ここに掲載している節税対策は、あくまでも参考程度にとどめ、行動に移される場合  には、必ず専門家に相談されますよう、お願いいたします。

 

(1) 生前贈与の活用

 

贈与税は相続税に比べて税負担の割合が大きくなりますが、毎年110万円の基礎控除が認められていますので、長い目で見ると有効な節税対策につながります。例えば、毎年、基礎控除額の110万円の範囲内で贈与していくと、20年経過後には一人当たり2000万円以上が税負担なしで贈与できることになります。また、相続人が3名のケースでは、6000万円以上が無税で贈与できますし、相続人には該当しませんが、子どもの配偶者やお孫さんにも贈与することで大幅に相続財産を減らすことができます。

 

なお、ご両親が定期的に毎年贈与を継続する場合に注意すべきことは、通帳や印鑑の管理は明確に受贈者に移管して、受贈者の意志で自由に口座から引き出せる状況にしておくことが最低の条件になりますので、この点は充分に注意してください。

 

(2) 生命保険の活用

 

生命保険金の非課税枠は、500万円×法定相続人の数です。これは、法定相続人についてのみ適用がある規定です。

 

また、生命保険金はみなし相続財産と呼ばれており、遺産分割協議の対象から除外されるので、特定の人に確実に現金を残すことができますので、有効に活用できます。 

 

(3) 不動産の活用

 

ここでは、不動産を活用した節税対策をご紹介します。この方法は、確実に相続税を大きく減額することができますが、実施する場合には、特に資金繰りに余裕を持ち、また、賃貸アパートの場合には将来の入居率などを充分に検討のうえ、不動産を持ち続けるリスクを承知したうえで、専門家に相談して進めるようにしてください。

 

また、近年、特に流行りのアパートの一括借り上げ方式による家賃収入保障いわゆるサブリース方式については、『著しい経済情勢の変動などによる家賃改定や解約条項の文言』が含まれている場合がありますので、契約書を熟読したうえで最低でも10年先を見通したうえでの経営を考えて決断してください。入居率の低いアパート経営ほど悲惨なものはありません。

 

アパート経営では、建物の相続時の評価は固定資産税評価額によりますので、大幅な評価減になります。また、賃貸アパートが建てられた土地は貸家建付地となり、借主の借家権相当部分が概ね20%前後評価減されることになります。

 

そのうえ、建築資金を借入金などで賄いますと、大幅に評価額を減額できますが、実際に相続が開始した場合には、不動産の分割の問題や相続税を支払うために資産を売却しなければならなくなると、デメリットになることがあります。

 

この賃貸アパートなどの節税対策を検討する場合には、遺産の分割方法や相続人の納税資金まで考慮したうえでないとお勧めできません。

 

なお、不動産の共有は、その分割方法について大きな問題を残すことが多いため、相続人が複数いる場合には、できるだけ共有の起こらないような対策を立ててください。 

 

(4) 小規模宅地等の特例の活用

 

被相続人と同居していた配偶者やその子供が宅地を相続した場合には、330㎡部分までは評価額を最大で80%減額することができますので、特に都心にお住まいの宅地を保有されている方には、この特例により相続税が大幅に減額されることになります。

 

この特例は、配偶者が自宅の土地・建物を相続する場合には無条件で適用されますが、同居の子供が相続する場合には相続税の申告期限まで継続して居住することが要件とされています。


また、この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書の提出が必須要件とされているなど一定の要件があります。


なお、これ以外にもこの特例が認められるケースがありますので、被相続人に配偶者も同居の親族もいない場合など専門家に相談してみてください。


さらに、被相続人などの事業の用に供されていた宅地についても大幅な評価減の規定がありますが、ここでは割愛しております。 

 

(5) 墓地や墓石などの生前購入

 

墓所や霊廟(れいびょう;先祖の霊を祭った宮)や祭具などは相続税の非課税財産とされています。お墓用地をお持ちでない方や墓石・仏壇がない場合には、被相続人の生存中に現金で取得しておいてください。相続財産を取得してから購入しても節税にはなりませんので、注意が必要です。 

 

(6) 贈与税の配偶者控除

 

婚姻期間が20年以上の夫婦間において、居住用財産の贈与または居住用財産を取得するための資金の贈与があった場合には、基礎控除額110万円のほかに2000万円を限度として特別控除が認められています。この規定の適用を受けるためには、申告書の提出が要件とされています。また、本贈与税の配偶者控除の適用を受けた者は、贈与者が3年以内に死亡した場合でも、2000万円を限度として相続税の課税価格への加算対象から除かれます。

 

なお、この制度を利用する場合には、相続が開始した場合における小規模宅地等の課税価格の特例(最大80%の減額)の特別措置もありますので、どちらが有利になるか検討することが必要です。
 

(7) タワーマンションの購入による節税

 

最近、特に喧伝されているものに富裕層向けのタワーマンション購入による節税があります。これは、例えば、都心の超一等地に超高層マンションの最上階を購入すると、建物が約80坪前後で10億円程度のものがあります。仮にこのマンションの土地の持ち分を30坪、建物の固定資産税評価額を1億円とすると、地価にもよりますが相続税評価額は約2億円程度になり、評価額は何と5分の1になってしまいます。

 

これをベースにして相続税を計算しますと、現預金や株式で保有している場合には10億円×55%=5.5億円の税金が、タワーマンション購入の場合には2億円×55%=1.1億円の税金で済む計算になります。これによる相続税の節税額は単純に計算すると(5.5億円-1.1億円=4.4億円)となります。しかも、このマンションを賃貸に回すと評価額はさらに下がりますので、富裕層にとっては10億円のマンションが半額程度で購入できることになりますので、富裕層ビジネスと言われる所以です。

 

実際には、超高層マンションでは下層階と上層階では同じ面積でも2倍以上の価格差が出ることは珍しくありません。しかも、固定資産税評価額は同じですので、上層階ほど節税額が大きいことになります。2倍以上の価格差があるのに相続税の評価額が同じというのは誰が考えてもおかしいのですが、現行の税制では対応できておりません。難題ではありますがこの不公平税制は見直す必要がありますので、改正が待たれるところです。

 

(8) その他の取り扱い

 

上記以外にも、贈与については次のような取り扱いがありますが、本旨からやや外れますので、項目と概要のみを記載しておきます。

 

① 相続時精算課税制度

 

受贈者の選択により、現行の贈与制度の代わりに、相続時に一体として課税される方法があります。この規定の適用を受けるためには、贈与税の申告書に相続時精算課税選択届出書を添付することが必要です。

 

② 住宅取得資金等贈与の非課税の特例

 

平成21年の緊急経済対策により施行されたもので、直系尊属から20歳以上の直系卑属が住宅取得等資金の贈与を受けた場合に、一定の要件の範囲内で非課税とされるものです。

 

この規定の適用を受けるためには、贈与税の申告書にこの規定の適用を受ける旨を記載して、申告することになります。なお、本規定は緊急措置であることから非課税金額(基礎控除額)は、例年変更されていますのでご注意ください。

 

③ 教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税

 

平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に、父母や祖父母から30歳未満の子や孫が教育資金の贈与を受けた場合には、1500万円を限度として非課税になります。本制度を実施される場合には、色々な制約がありますので、取扱金融機関に相談してみてください。なお、この制度は延長される可能性の高い制度ですので、詳しくは金融機関と相談しながら進めてください。

 


以上のほかにも、高齢世代の消費を促すための税制がたくさんあります。その多くは金融機関が積極的に関与しておりますので、お取引のある銀行などに相談してみて下さい。